筋トレ

筋トレはビッグ3だけでOK?ビッグ5・7についても解説

はじめに

ビッグ3だけでも筋トレは十分?

「筋トレはビッグ3さえやっていれば間違いない。」

確かに、「ビッグ3」の種目は
「コンパウンド種目(多関節運動)」と呼ばれ、
全身の大筋群を効率よく鍛えられる王道のトレーニングです。

筋トレ初心者から上級者まで、
多くの人に支持されている理由もそこにあります。

しかし一方で、こんな疑問を感じている人も多いはずです。

  • 本当にビッグ3だけで
    全身をバランスよく鍛えられるの?
  • 他の種目を追加した方が
    成長スピードが上がるのでは?
  • ビッグ5、ビッグ7もよく聞くけど、
    何が違うの?

本記事では、そんなビッグ3だけに
取り組む場合のメリット、デメリット
そこから発展した「ビッグ5」や「ビッグ7」の構成も
あわせて解説していきます。

それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、
自分に合った最適なトレーニング構成を見つけていきましょう。

この記事はこんな方におすすめ!

  • 筋トレを始めたばかりで、
    どんな種目をすればよいか迷っている方
  • ビッグ3の効果は実感しているが、
    物足りなさを感じている中級者
  • 週3〜4日で全身を効率よく鍛えたい方
  • 種目数を絞って筋肥大・筋力向上を狙いたい方
  • 種目を選ぶ基準や構成の違いを
    論理的に理解したい方


そもそもコンパウンド種目とビッグ3とは

筋トレ初心者にとって
「どの種目をやるべきか」は大きな悩みのひとつです。

そこでまず知っておきたいのが、
「コンパウンド種目(複合関節運動)」です。

コンパウンド種目とは、
複数の関節と筋肉を同時に使う動作
のことを指します。

たとえば「スクワット」であれば、
股関節・膝関節・足関節が連動し、
大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋など
広い範囲を一度に鍛えることができます。

反対に、「アームカール」や「レッグエクステンション」のような
1つの関節のみを動かす種目
「アイソレーション種目」
と呼びます。

種目例分類主な関節主な筋肉
スクワットコンパウンド股関節・膝関節大腿四頭筋、臀筋
ベンチプレスコンパウンド肩関節・肘関節大胸筋、三頭筋
アームカールアイソレーション肘関節上腕二頭筋

ビッグ3とは

ビッグ3種目の画像

筋トレ界で「ビッグ3」と呼ばれるのは
すべて「コンパウンド種目(多関節運動)」で、
以下の3種目のことを指しています。

  • スクワット
    下半身全体と体幹を強化する王道の脚トレ
  • ベンチプレス
    胸・肩・三頭筋を中心に鍛える
  • デッドリフト
    背中・脚・体幹を同時に鍛える

これらの種目が“ビッグ”と呼ばれる理由は、
高負荷を扱えるうえに、
多くの筋肉を一度に鍛えられる効率性
にあります。

そのため、初心者でもこの3種目を中心に
トレーニングを組むことで、
無駄なく全身の筋力アップや筋肥大が狙えます。

なぜビッグ3が「筋トレの基本」とされるのかについては
以下の理由からです。

  • 全身を効率よく鍛えられる
  • 神経系の強化にもつながる
    (フォーム・安定性が求められる)
  • 高重量を扱えるため、成長ホルモン分泌が活性化
  • トレーニング時間を短縮しつつ効果が高い
  • 初心者〜上級者まで対応可能な汎用性

ビッグ3だけでの筋トレのメリット・デメリット

「ビッグ3さえやっていればOK」
というのは私は半分正解だと考えています。

筋トレの目的や目標、理想がどこに向いているかで
「ビッグ3」だけで良いのかが変わってきます。

確かに、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの3種目は
全身を満遍なく鍛えられる効率的な構成です。

しかし、目的がボディメイクで
「理想的な筋肉バランス」を得たい方が
「ビッグ3」だけでよいのかというと、少し話は変わってきます。

ますはビッグ3だけでトレーニングを組んだ場合の、
メリットとデメリットを整理して自身の目的に沿っているかを
確認してみてください。


ビッグ3だけのメリット

  • 時短トレーニングが可能
    プログラム構成がシンプルで種目数が少なく、
    大筋群を一気に鍛えられる
  • 成長ホルモンの分泌を促しやすい
    大筋群に対して高重量・高負荷を与えられ、
    テストステロンやGHの分泌が活性化
  • 初心者でも覚えるべき基本動作に集中できる
    複雑な種目に手を出す前に、
    まず基礎を固められる
  • 高重量トレーニングで神経系も強化できる
    重量を扱いやすく、筋肥大とともに
    「神経系」=出力も向上する
  • 体幹が自然と鍛えられる
    全身連動動作の中で体幹を使うことが必須

ビッグ3だけのデメリット

  • 細かい部位が鍛えきれない
    三角筋中部・広背筋下部・上腕二頭筋などが
    不足しがち
  • フォーム習得に時間がかかる
    全身の連動が必要なため、
    誤ったフォームは怪我につながる
  • 動作バリエーションが少なく飽きやすい
    3種目だけではモチベーション維持が
    難しいケースもある
  • 体型のバランスが偏る可能性
    体の中心部が太く強くなりやすく、腕などの
    末端部を含めた全体のバランスが取りにくい
  • 柔軟性・可動域の課題が補いづらい
    ストレッチ系種目が不足し、
    可動域が狭いまま鍛えてしまう場合もある

ビッグ5・ビッグ7とは

ビッグ3は間違いなく優れた基礎構成です。

しかし、筋肉のバランスや部位ごとの発達を求めるなら、
補助種目の追加や構成の拡張が必要です。

そこで登場するのが「ビッグ5」「ビッグ7」といった
発展型の構成。

ビッグ3を軸に、より小細部まで刺激を入れるための
コンパウンド種目を追加した拡張構成です。

ここではそれぞれの構成と、メリット・デメリットを解説します。


ビッグ5とは

ビッグ5種目の画像

「ビッグ3」に以下の2種目を追加した構成です。

  • 懸垂(プルアップ)
    背中の広がり(広背筋)と腕を強化
  • ショルダープレス(オーバーヘッドプレス)
    肩の前面を中心に、肩全体、三頭筋を強化

この2つの追加により、逆三角形体型のための背中の広がり、
肩の迫力
を鍛えることができます。

メリット

  • 上半身全体を立体的に作れる構成
    背中の幅(広背筋)と肩の厚みを
    バランス良く補強できる
  • 多方向の運動による可動域改善が期待できる
    垂直方向の動作が加わり、
    動作のバリエーションが広がる
  • 機能的な全身運動が増える
    実践的な動作パターン
    (持ち上げ・登る等)に強くなる

デメリット

  • 肩・肘など関節負担が増す
    腕・肩の補助筋での導入が増え、
    疲労がたまりやすい
  • 取り組み時の体重で懸垂の難易度が上がる
    自体重が重ければ重いほど、
    懸垂の負荷が強くなる
  • 肩のメインの種目は最善の注意が必要になる
    肩の故障は、他のビッグ5種目に影響を与える

ビッグ7とは

ビッグ7種目の画像

上記の「ビッグ5」にさらに以下の2種目を追加した構成です。

  • ディップス
    胸・肩・三頭筋の下方向へのプレス動作
  • ベントオーバーロー
    背中の厚み、僧帽筋、広背筋中部を強化

この構成で、腕を含めた細部の強化、
背中の細かい鍛え分け
をすることができます。

メリット

  • より詳細に上半身を作りこむことが可能
    腕の太さや大胸筋の輪郭、
    背中の厚みを鍛えられる
  • 動作バリエーションが豊富で飽きにくい
    プッシュ(前)・プル(後)・縦・横方向
    すべてを鍛えられる
  • 全身の筋バランスをほぼ完全に網羅
    この7種目をベースにすることで
    理想の体を目指しやすい

デメリット

  • フォーム習得が難しい
    ディップス、ベントオーバーロー
    どちらも体幹を支えるための筋力が必須
  • 回復と強度の管理が必須
    スケジュール管理と栄養管理を並行しないと
    パフォーマンスが落ちやすい
  • 器具依存度が高くジム環境が必要になる
    トレーニング環境(ディップスバー)が
    ないジムもある

ビッグ3/5/7の自分に合う構成の選び方

ここまで、ビッグ3・ビッグ5・ビッグ7の
それぞれの構成内容とメリット・デメリットを紹介してきました。

すべて優秀な構成ですが、
目的や現在のトレーニング修練度によって
「どれが合っているのか」というのは変わってきます。

自身が取り入れるべきはどれなのかを判断をしやすくするために、
それぞれの特徴を比較表形式でまとめたものと、
診断チャートを準備したので、今一度自身の目的を達成できるものを取り入れるようにしてください。

ビッグ3/5/7 比較表

ビッグ3、5、7の比較表

診断チャート

ビッグ3、5、7を決めるための診断チャート

ビッグ3・ビッグ5・ビッグ7、どれも優れた筋トレ構成ですが、
大切なのは「あなたに合っているかどうか」です。

診断チャートを基準に、まずは3か月取り組んでみましょう。

取り組んでいく中で、より強化したい部位や、
時間の制約と照らし合わせて
種目の変更や追加を行って自分だけの構成にしていってください。


まとめ

ビッグ3・ビッグ5・ビッグ7は、
いずれも「全身を効率よく鍛えるためのコンパウンド種目群」
として、非常に優れた筋トレの土台となります。

しかし、それぞれには特性があり、
どの構成が自分自身に適しているかを見極めることが、
効果的なトレーニングをするためにも重要です。

ビッグ3、ビッグ5、ビッグ7のそれぞれの構成別の特徴を振り返ると

  • ビッグ3
    • 最も基本的
    • フォーム習得と全身基礎筋力アップに最適
    • 初心者や時間が限られている方におすすめ
  • ビッグ5
    • 上半身の「押す・引く」動作を
      バランスよく加えた実践的構成
    • 中級者が筋肥大と筋力の両立を狙う段階に
      適している
    • スポーツパフォーマンス向上したい方
      にもおすすめ
  • ビッグ7
    • 全方向の筋肉刺激が整ったハイレベル構成
    • 腕や肩などの末端部への刺激も確保しやすい
    • 高頻度・高ボリュームでのトレーニングが
      可能な上級者向け

必要に応じて分割法や補助種目を加えることも
自身の目的を達成するためには大切です。

ビッグ種目に加えて、あなたの弱点や
強化ポイントに応じた補助種目を
計画的に組み合わせることで、より効率的に成長できます。

とくに筋肥大を狙っている方は、
1週間でのメニューの構成も大切になってきます。

1週間で取り組める頻度ごとに、
それぞれあった分割法やおすすめの構成などを
こちらの記事にまとめているので、今回自身が取り入れたい
ビッグ3、5、7の種目をメニュー構成に取り入れてみてください。

継続こそ最大の成果です。

「ビッグ3だけで筋トレはいいのか」
という問いに対する答えは、あなたのレベルと目的次第です。

重要なのは、
「今の自分にとって無理なく継続できる構成」を選び、
少しずつステップアップしていくことになります。

ビッグ3・5・7を上手に活用して、
自分史上最高の筋トレを目指しましょう!

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