はじめに
週5回筋トレを試す前に知っておきたい戦略
週5回のトレーニングは、
筋肥大を目指す中級〜上級者にとっても
非常にパワフルな頻度です。
週5回の筋トレは「質」が伴えば、
筋肥大・代謝向上・体型改善の最短ルートにもなり得ます。
しかし、その反面、正しい分割法と回復戦略を知らずに取り組むと
逆効果になるリスクも高まります。
本記事では、週5回の筋トレを
最大限に活かすための「分割法」として
- 五分割法
- 応用三分割(変則PPL法)
を紹介していきます。
それぞれの構成・メリット・実践例を
わかりやすく解説していきます。
さらに、「自分に合う分割法を選ぶための診断チャート」や
「疲労管理」、「栄養補給の工夫」など、
実践に役立つ具体的な戦略もあわせてまとめているので
是非、筋トレをする際の参考にしてください。
この記事はこんな方におすすめ!
- 週5回の筋トレを取り入れたいが、
どう分割すべきか分からない方 - 筋トレ中級〜上級者で、次のレベルに進みたい方
- 五分割法・三分割法の違いと
実践例を詳しく知りたい方 - 回復が間に合わずオーバーワーク気味の方
- 効率的なメニュー構成に悩んでいる方
週5筋トレのメリット・デメリット
週5回という高頻度の筋トレは、
初心者ではやや過剰とも思われがちですが
正しく取り組めれば非常に効果的なアプローチとなります。
ただし、設計ミスや疲労管理不足が
命取りになりやすいスタイルでもあるため、
自分に合った分割法を見極めることが最重要課題です。
そのためにも「正しい分割設計」と
「回復の管理」が前提条件です。
まずは、週5トレのメリットとデメリットを整理し、
どんな人に向いているのかを解説します。
✅ 週5筋トレのメリット
- 部位ごとに高ボリュームが確保できる
- 各部位に時間を割けるため、
ボリュームアップが狙いやすい
- 各部位に時間を割けるため、
- 週内に種目のバリエーションを持てる
- 種目のバリエーションで、
部位ごとの違った刺激を加え、
筋肥大に必要な多様な刺激を得やすい
- 種目のバリエーションで、
- 部位ごとのトレーニングに集中できる
- 全身を鍛える必要がないため、
強度や集中力をその日鍛える部位に
最大限投入できる
- 全身を鍛える必要がないため、
- 成長実感が得やすくモチベーションが上がる
- 週5回継続することで自信と習慣が整いやすい
- 全身の神経適応を促進
- 筋肥大だけでなく、
筋力強化・維持にも効果的
- 筋肥大だけでなく、
⚠️ 週5筋トレのデメリット・注意点
- 栄養・睡眠の質が追いつかないと停滞しやすい
- 食事・睡眠の管理が甘い場合、
強度が高いままで回復が不十分になる
- 食事・睡眠の管理が甘い場合、
- 回復が追いつかずオーバーワークに陥りやすい
- 慢性疲労やパフォーマンス低下の
リスクがある
- 慢性疲労やパフォーマンス低下の
- 補助筋や小筋群の使いすぎによる疲労蓄積
- 腕や肩など、他部位と連動する箇所は
分割の順番を意識する必要がある
- 腕や肩など、他部位と連動する箇所は
- 腱・関節への負荷による、筋肉以外への疲労蓄積
- 怪我や炎症のケアを怠らないように
注意が必要
- 怪我や炎症のケアを怠らないように
- モチベーションが維持できなくなる人も多い
- 日常の予定との両立が難しくなりがち
- 高頻度であるがゆえに、
1日休むと全体のリズムに影響が出やすい
柔軟な対応力とリカバリーの設計力が求められる
五分割と応用三分割(変則PPL法)の違いと特徴
週5回筋トレを行う際に重要になるのが、
まずは「どんな分割法で組むか」です。
私が週5回の筋トレをする方にお勧めしたいのが以下の2パターン
- 五分割法
- 応用三分割(変則PPL法)
どちらも週5日というトレーニング日数に対応していますが、
目的・生活スタイル・回復力によって適した方法は異なります。
それぞれの違いと特徴を詳しく比較し、紹介していきます。

五分割
✅ 特徴
- 1部位に全集中できるため、
高ボリューム・高強度での追い込みが可能 - トレ歴1年以上の中〜上級者に向いた設計で、
部位ごとの成長を狙える
✅ メリット
- 徹底的に部位を追い込める
- 特定筋を高強度・高ボリュームで鍛えられるため、ピンポイントで筋肥大を狙いやすい
- 高重量トレーニングも取り入れやすい
- 各部位がフレッシュな状態で
高重量種目を組み込める
- 各部位がフレッシュな状態で
- 種目数を多くしてバリエーションが組みやすい
- 各部位に高重量・ストレッチ・収縮の観点で
種目を組みやすい
- 各部位に高重量・ストレッチ・収縮の観点で
- 腕や肩なども細かく鍛え分けすることができる
- 腕の二頭・三頭、肩の前・横・後ろなど、
細かくアプローチがしやすい
- 腕の二頭・三頭、肩の前・横・後ろなど、
✅ デメリット
- スケジュールのズレに弱い
- 1回逃すとその部位が1週間飛ぶリスクがある
- トレ歴が浅いと強度不足になりがち
- 高強度・高ボリュームを1回で行うのは
技巧を要するものもある
- 高強度・高ボリュームを1回で行うのは
- 補助筋疲労の蓄積に注意が必要
- 特に腕、肩は胸と背中の補助にも
使われるので順番に注意
- 特に腕、肩は胸と背中の補助にも
- 全体のバランスが把握しづらくなることもある
- 部位ごとの重点化に偏りが生じると
身体の均整が崩れる
- 部位ごとの重点化に偏りが生じると
応用三分割(変則PPL法)
✅ 特徴
- 1週間で前面・背面・下半身を網羅しつつ
頻度と刺激のバランスがとれる構成 - 全身を2回ずつ刺激できるが、
分割しすぎず実施難度はやや低め
✅ メリット
- 部位頻度が高い(週2回)
- 筋合成サイクルを途切れさせず
筋肥大効率を高めやすい
- 筋合成サイクルを途切れさせず
- スケジュールに柔軟に対応できる
- 最低週3日いければ
全身への1回の刺激は確保可能
- 最低週3日いければ
- 全身的な基礎力の向上が狙いやすい
- 大きな筋肉を軸とした分割であり、
筋力バランスも整いやすい
- 大きな筋肉を軸とした分割であり、
- 初~中級者でも扱いやすい構成
- 大きな筋肉を軸に、
筋トレの基本種目が中心に構成される
- 大きな筋肉を軸に、
✅ デメリット
- セット数・強度が分散しやすくなる
- 複数部位をまとめて取り組む構成のため、
各部位へのセット数は少なくなる
- 複数部位をまとめて取り組む構成のため、
- パーツ集中が不十分に感じることもある
- 部位特化を求めると刺激が薄いと感じやすい
- 疲労感が強まる日もある
- 複数部位の種目を構成するため、
疲労が体の複数個所に溜まる
- 複数部位の種目を構成するため、
- フォーム疲労が出やすい
- トレーニング後半の部位は、
前半の部位に比べ扱える重量が下がりやすい
- トレーニング後半の部位は、
五分割 or 応用三分割の選び方
週5回の筋トレに取り組む場合、
「五分割」と「応用三分割」どちらも筋肥大には非常に有効です。
そのため、どちらが絶対的な正解ということはなく
自分に向いている方法を見極めることが重要です。
週5で取り組む場合の選択を迷っている方は、
診断チャートを用意したので
その結果から自分に合う方を選択してみてください。

五分割での実践メニュー例
五分割法は1日1部位を集中して鍛えるスタイルです。
高ボリューム・高強度の筋トレが可能で
各部位に多くの種目を組み込むことができます。
種目選定は、
- 高重量種目
- ストレッチ種目
- 収縮種目
を基本的な考えとして種目を組むのがおすすめです。
ここでは実際にジムで五分割に取り組む場合に
おすすめのスケジュールと、
取り組んで欲しい種目構成のメニューを紹介します。
週5回の基本スケジュール例(おすすめの順番)
曜日 | 部位 |
---|---|
月 | 胸 |
火 | 背中 |
水 | 肩 |
木 | 休み |
金 | 腕 |
土 | 脚 |
日 | 休み |
Day1:胸
種目 | 狙い | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
ベンチプレス | 高重量 | 5セット × 8回 | 90秒 |
ダンベルフライ or インクラインダンベルフライ | ストレッチ | 3セット × 12回 | 60秒 |
ディップス | ストレッチ | 3セット × 10回 | 60秒 |
チェストプレス(マシン) or ペックフライ(マシン) | 収縮 | 3セット × 12回 | 60秒 |
ケーブルクロスオーバー | 収縮 | 5セット × 12回 | 60秒 |
Day2:背中
種目 | 狙い | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
懸垂(荷重)or ラットプルダウン(マシン) | 高重量(広背筋全体) | 5セット × 8回 | 90秒 |
ベントオーバーロー or Tバーロー | 高重量(僧帽筋、広背筋下部) | 5セット × 8回 | 90秒 |
シーテッドロー(マシン)or ローロー(マシン) | 収縮(背中全体) | 5セット × 12回 | 60秒 |
ケーブルプルオーバー | ストレッチ(背中全体) | 3セット × 12回 | 60秒 |
Day3:肩
肩についての種目選定は、
- 前面
- 横面
- 後面
の種目を取り入れ、「横と後ろ」については
無理に高重量を扱わないようにしましょう。
種目 | 狙い | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
ショルダープレス(マシン可) | 高重量(肩前面) | 4セット × 8回 | 90秒 |
アーノルドプレス | ストレッチ・収縮(肩前面) | 2セット × 12回 | 60秒 |
サイドレイズ | 収縮(肩横面) | 3セット × 12〜15回 | 60秒 |
リアレイズ | 収縮(肩後面) | 3セット × 12〜15回 | 60秒 |
ケーブルアップライトロー | ストレッチ(肩横~後面) | 3セット × 12回 | 60秒 |
フロントレイズ | ストレッチ(肩前面) | 2セット × 10回 | 60秒 |
Day4:腕
種目 | 狙い | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
バーベルカール | 高重量(二頭) | 3セット × 8回 | 60秒 |
フレンチプレス | 高重量(三頭) | 3セット × 8回 | 60秒 |
ダンベルカール | 収縮(二頭) | 2セット × 12回 | 60秒 |
ハンマーカール | 収縮(二頭) | 2セット × 15回 | 60秒 |
スカルクラッシャー or ライイングエクステンション | ストレッチ(三頭) | 3セット × 12回 | 60秒 |
インクラインアームカール or バイセップスカール(マシン) | ストレッチ(二頭) | 2セット × 12回 | 60秒 |
ケーブルプレスダウン | 収縮(三頭) | 3セット × 12回 | 60秒 |
Day5:脚
種目 | 狙い | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
スクワット(スミスマシン可) | 高重量(脚全体) | 3セット × 8回 | 120秒 |
レッグカール(マシン)or ルーマニアンデッドリフト | 収縮・ストレッチ (ハムストリングス) | 5セット × 12回 | レッグカール:60秒 ルーマニアンデッド:120秒 |
バックスクワット or レッグエクステンション | 収縮・ストレッチ (大腿四頭) | 3セット × 12回 | ハックスクワット:120秒 レッグエクステンション:60秒 |
ヒップスラスト | 収縮(臀部) | 4セット × 12回 | 60秒 |
アダクション・アブダクション | 収縮・ストレッチ (内転筋、外転筋) | それぞれ2セット × 12回 | 60秒 |
応用三分割での実践メニュー例
「応用三分割」は、Push / Pull / LegでのPPL法をベースにした、
週5回で全身を2回ずつ刺激する変則的PPL法です。
1週間で全身を2回ずつ刺激できるため、
成長の機会を増やしながらオーバートレーニングを
防げるバランス型の構成です。
全身のバランス強化と頻度管理のバランスを取りたい
中級者に非常におすすめです。
週5回の基本スケジュール例
曜日 | メニュー |
---|---|
月 | Push(上半身前面) |
火 | Pull(上半身後面) |
水 | Leg(脚) |
木 | 休み |
金 | Push・Pull(上半身全体) |
土 | Leg(脚) |
日 | 休み |
Day1:Push
種目 | 主な部位 | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
ベンチプレス | 胸 | 3セット × 8回 | 90秒 |
インクラインダンベルプレス | 胸上部 | 2セット × 12回 | 60秒 |
ショルダープレス(マシン) | 肩前面 | 4セット × 12回 | 60秒 |
ディップス | 胸下部、三頭 | 2セット × 12回 | 60秒 |
フレンチプレス | 三頭 | 2セット × 12回 | 60秒 |
Day2:Pull
種目 | 主な部位 | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
懸垂 or ラットプルダウン(マシン) | 背中 | 3セット × 8回 | 60秒 |
シーテッドロー(マシン) ローロー | 背中、肩後面 | 5セット × 12回 | 60秒 |
インクラインアームカール | 二頭 | 2セット × 12回 | 60秒 |
ハンマーカール | 二頭 | 2セット × 15回 | 60秒 |
ケーブルフェイスプル | 肩後面 | 3セット × 12回 | 60秒 |
Day3:Leg
種目 | 主な部位 | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
スクワット(スミスマシン可) | 脚全体 | 3セット × 8回 | 120秒 |
レッグエクステンション | 大腿四頭 | 5セット × 12回 | 60秒 |
レッグカール | ハムストリングス | 4セット × 12回 | 60秒 |
アブダクション | 臀部 | 4セット × 15回 | 60秒 |
Day4:Push・Pull
種目 | 主な部位 | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
ダンベルプレス or チェストプレス(マシン) | 胸 | 4セット × 10回 | 60秒 |
懸垂 or ラットプルダウン(マシン) | 背中 | 4セット × 12回 | 60秒 |
インクラインアームカール | 二頭 | 2セット × 15回 | 60秒 |
ケーブルプレスダウン | 三頭 | 2セット × 15回 | 60秒 |
サイドレイズ | 肩横面 | 3セット × 12〜15回 | 60秒 |
Day5:Leg
種目 | 主な部位 | セット×回数 | 休憩時間 |
---|---|---|---|
ルーマニアンデッドリフト | ハムストリングス | 3セット × 12回 | 120秒 |
ブルガリアンスクワット | 臀筋・ハムストリングス | 2セット × 12回 | 90秒 |
レッグエクステンション | 大腿四頭 | 3セット × 15回 | 60秒 |
アダクション | 内転筋 | 2セット × 12回 | 60秒 |
ヒップスラスト | 臀部 | 3セット × 12回 | 60秒 |
まとめ
週5回の筋トレは、筋肥大・体力向上・ボディメイクの
どれを目的にしても非常に効率の良い頻度です。
しかし、その成功のカギは
「どの分割法で筋肉を刺激していくか」にかかっています。
どんなに優れた分割法でも、継続できなければ意味がありません。
生活に合わせて柔軟に対応できる「分割スタイル」を選び、
まずは4週間続けてみましょう。
効果を実感しながら微調整することが、
最短で理想の身体をつくる近道です。