はじめに
「ITって難しそう」
「文系の自分には無理」
「リモートワークが羨ましい」
そんな風に感じたことはありませんか。
私自身、IT業界に入る前は美容師として働いていて
そのようなイメージを持っていました。
コードやプログラミング、聞き慣れない用語ばかりで
IT業界に一歩足を踏み入れるのが怖くなりますよね。
ですが、私自身は今こうして
SE(システムエンジニア)として
働けているのは、「IT=難しい」という先入観が
必ずしも真実ではなかったからです。
もちろん、努力や学習は必要になります。
しかし、それはどんな職業でも同じことですよね。
正しいステップを踏めば、異業種出身の未経験者でも、
IT業界で活躍する道は十分にあります。
今回は、IT業界がなぜ難しく見えるのか、
その不安の正体と乗り越え方、
そして私自身の体験談をもとに、
みなさんが一歩踏み出すためのヒントを紹介していきます!
この記事はこんな方におすすめです!
- IT業界に興味はあるけど、
不安で踏み出せない方 - 異業種からのキャリアチェンジ
を考えている方 - 文系でプログラミング未経験の方
- IT業界=理系という先入観に
とらわれている方
なぜ「IT未経験は難しい」と思われているのか
IT業界と聞くと多くの人が思い浮かべるのは、
「理系出身」
「プログラミング」
「英語の羅列」
「暗い部屋でパソコンに向かう人」
など、IT業界に対して難しそうというイメージ
を持つ方はとても多いです。
特に未経験者や文系出身の方にとっては、
未知の分野ということもあり、
その印象はなおさら強く感じられるでしょう。
この“難しそう”という印象の原因には、
いくつかの背景があります。
◆ 理由1:専門用語が多く、意味が分からない
たとえば、
「API」
「クラウド」
「アルゴリズム」
「データベース」
など、日常では聞かない言葉が
次々に登場します。
何のことか分からない単語が並ぶだけで、
「もう自分には無理かも」
と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、これはあくまで最初のハードルです。
実際に私自身も、最初は
「フレームワークって何?」
「データベース??SQL?」
というレベルで、
なんならPC操作のタイピングもままならない状態でした。
これについては、学習や業務を進めるうちに、
だんだんと意味が繋がってきたり
できるようになっていきます。
◆ 理由2:「理系の頭」が必要だと思われている
「論理的思考ができないと無理」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、ITの世界では「論理的な考え方」が
求められる場面はあります。
でもそれは、理系出身でなければできない、
という意味ではありません。
むしろ、文系的な能力(ユーザー目線や説明力)が
求められる場面も多く、
実際に文系出身で活躍している人もたくさんいます。
なんなら、私自身も超文系です。
学生時代は全く理系の勉強はしていませんが
現在はIT企業で働けています。
必要なのは“理系の知識”ではなく、
“コツコツ学ぶ姿勢”と“問題を解決する柔軟性”です。
◆ 理由3:実態が見えにくい
「IT業界=プログラマーだけ」
というイメージも誤解の一つです。
実際には、簡単にまとめただけでも
以下のように様々な職種があります。
- IT事務、ヘルプデスク
- テスター
(ソフトウェアの不具合チェック) - インフラエンジニア
(ネットワークやサーバーの整備) - Webディレクター、デザイナー
- データアナリスト、IT営業 など
つまり、プログラミングだけがITの仕事ではない
ということです。
最近では「IT未経験歓迎」と明記された求人も多く、
学習環境も以前に比べて格段に整ってきています。
未経験者を前提とした育成プログラムを
用意している企業も増えており、
スタートラインが広がっているのが現状です。
未経験者がよく抱く不安とよくある誤解
IT業界に興味はあっても、
「自分にできるのかな?」
と不安に思う方は少なくありません。
実際、私自身も転職を考え始めたとき、
周囲にIT業界に就職した友達や
エンジニアの知り合いがいなかったこともあり、
不安ばかりが先行していました。
ここでは、未経験者が抱きがちな不安や、
よくある誤解について、実体験を交えて解説していきます。
◆不安1:「プログラミングができないと無理?」
多くの人が最初にぶつかる壁がこれです。
「HTMLって何?」
「JavaとJavaScriptって違うの?」
といったレベルの方も多くいると思います。
正直、私も最初はまったく分かりませんでした。
ですが、IT業界には
プログラミング以外の職種も数多くあります。
仮にプログラミングを学ぶとしても、
初心者向けのツールが豊富にあります。
たとえば、Progateやドットインストールといった
オンライン学習サイトでは、実際にコードを書きながら、
ゲーム感覚で楽しく学べるので、最初の一歩には最適です。
「プログラミングができないと無理」
というのは、大きな誤解です。
今できないのは当たり前で、
「やってみよう!」
という気持ちのほうが大切です。
◆不安2:「文系だから向いてない?」
「理系じゃないと無理」
という声もよく聞きますが、これも完全な思い込みです。
実際にIT業界では、文系出身のエンジニアや
PM(プロジェクトマネージャー)が多く活躍しています。
文系の強みは、たとえば以下のような点に現れます。
- 論理的に物事を説明する力(文章力)
- ユーザー目線で物事を見る視点
- 対人コミュニケーション能力
(要件のヒアリングなど)
IT業界は「モノづくり」の世界でもありますが、
同時に「人と人が情報をやり取りする」ことが多い業界です。
だからこそ、コミュニケーション能力や
気配りのある人が重宝されるのです。
◆不安3:「年齢的にもう遅い?」
特に20代後半や30代に差し掛かっている方が
気になるのが、この年齢問題ですよね。
確かに、年齢が上がると
未経験転職のハードルは少しずつ上がります。
ですが、20〜30代前半であれば、まったく問題ありません。
IT技術が社会に浸透していく中で、
IT企業側も人材を確保するために
「この人は今後成長してくれそうか?」
という点を重視しており、
年齢よりも学習意欲や姿勢が見られます。
私が今の会社に転職したときは22歳でしたが、
年齢よりも
「成長意欲があるか」
「どんな学習をしているか」
「コミュニケーション能力に問題ないか」
が重視されていました。
◆不安4:「自分に向いてるのか分からない」
これも多くの方が感じることです。
ですが、「向いてるかどうか」は、
やってみないと分かりません。
私自身も、最初は今までPCに触れたことさえ
ほとんどない状況だったので
「自分に合わなかったらどうしよう」
と思っていました。
でも、学んでいくうちに
「わからなかったことが分かるようになる楽しさ」
「新しい技術への挑戦の楽しさ」
を感じられるようになり、
今ではこの仕事が自分に合っている
と思えるようになりました。
◆小さな成功体験が不安を解消してくれる
こうした不安や誤解は、
「行動すること」で少しずつ薄れていきます。
たとえば、
- HTMLでWebページを作れた!
- JavaScriptでボタンを動かせた!
- 基本情報技術者試験に合格した!
こういった小さな成功の積み重ねが、
「自分にもできる」という自信につながっていきます。
IT未経験者でも転職できる理由とそのステップ
未経験からIT業界を目指すのは、確かに簡単な道ではありません。
しかし、しっかりと準備と行動を積み重ねれば、
決して不可能ではありません。
むしろ、今はIT業界が未経験人材を必要としている時代です。
このチャンスを活かさない手はありません。
この章では、
「なぜ未経験でも転職できるのか?」
その背景を紹介します。
◆理由1:IT業界は今、人手不足が深刻
日本は今、あらゆる業界でデジタル化(=DX)
が急速に進んでいます。
企業側は
「紙ベースの業務からITシステムへ」
「データを活用して売上を伸ばす」
といった変革に迫られており、
その実現のためにエンジニアや
IT人材の確保が急務になっています。
経済産業省のデータでは、
2030年には最大79万人のIT人材が不足する
とも言われており、
未経験からでもポテンシャル採用する
企業が増えてきているのが現状です。
しかも、今の時代は副業・在宅ワークOKな企業も増えており、
キャリアの柔軟性が高いのも大きな魅力です。
◆理由2:未経験者向けの求人が豊富にある
実は、「未経験OK」と書かれたIT求人は意外と多いです。
特に以下のような職種は、未経験からでも始めやすいです。
- IT事務(Excel操作や資料作成、
簡単なシステム入力など) - ヘルプデスク(PCトラブルの対応や
ユーザーサポート) - テスター(アプリやシステムのバグチェック)
- SES(客先常駐型のエンジニア、
研修制度が充実している企業も)
もちろん、希望によっては
Web開発やアプリ開発を目指すことも可能です。
しかし、まずは「実務経験を積める環境」
に入ることが、キャリアの第一歩として大切です。
■ 美容師からSEへ:私がやったこと
私自身は、美容師時代に時間を切り売りする働き方が不安で
「このままでいいのか?」と将来を考えたときに、
IT業界への転職を決意しました。
最初に取り組んだのは、今の業務スキルとは
まったく異なりますがインフラといわれる分野の
「シェルスクリプト」といわれる技術から始めました。
その後、「基本情報技術者試験」や
「応用情報技術者試験」に挑戦し
ITの基礎知識を体系的に学び、
今のアプリ開発の業務に携わるようになりました。
何が言いたいかというと、IT技術はたくさんあり
職種もさまざまな分野があります。
まずは挑戦して、自分の働き方にあったIT分野を
見つけていけば、全然問題ないということです。
■ 私のキャリアのステップアップ図
- IT業界が全く分からない状態で
インフラ分野を学びながら派遣社員として転職 - IT業界のアプリ開発は
インフラ分野とは異なることを知り
IT業界についての勉強を始める - とりあえず、基本情報技術者試験を学びながら
IT業界の概要を学び資格を取得 - インフラ分野の派遣をやめて、
アプリ開発の会社に
正社員として転職 - 現在、プログラム開発に必要な技術を
日々学びながら
SEとしてシステム開発の業務を実施

■ SESだけじゃない。選べるキャリア
未経験からの転職では、SES(客先常駐)と呼ばれる
業態での募集が多くあります。
これらは未経験からの採用率も高めですが、
IT業界のことがわからないまま、
現場に投入されることも多いです。
SESでも自分の経験を積みながら成長することは可能ですが、
いきなりITの仕事現場に放り投げられることに不安がある人は
自社開発や受託開発を取り扱る企業を目指してください。
その時に転職活動に有利に働くのが
「基本情報技術者試験」などの資格取得です。
未経験では資格取得がない場合、
私が最初にIT業界に入った時のように
派遣に近いスタイルのSESが実態の企業からの募集が
多くを占めています。
資格を取得することで実務経験がなくても、
学習姿勢と成果物を通じて転職活動時に
SES企業以外も応募できるようになります。
おすすめの資格や勉強法については、
現在まとめているので今後公開したらぜひ参考にしてください。
美容師からSEへ。私の転職体験談
ここでは、私がどのようにしてIT業界へ転職したのか、
そして実際に働き始めてから感じたことや、
やっておけばよかったと感じることを
できるだけリアルにお伝えしていきます。
◆きっかけ
私が美容師として働いていた時に
ずっと感じていたのが
「体力勝負」
「将来が不透明」
「自由な時間が少ない」
という悩みでした。
特に周囲の大学を出ている友人たちが
結婚・出産・転職などで次のステージへ進む中、
「私はこのままで良いのか?」
と何度も不安を感じていました。
そんな時に、美容学校時代に一番仲の良かった友人が
美容師を辞め、地元に帰ってしまったことで
私の中でなにかがふっ切れ、
とりあえず、転職して環境を変えてみようと思ったことが
今IT業界にいることのきっかけです。
◆最初の一歩
「未経験OK」
と記載されているIT系の求人を
片っ端から見て勤務先が家から近いところを
選んで応募していました。
この時は、ITについて
インフラや、業務アプリ開発、Web系などの
違いが全く分からないまま面接を受けていました。
今思えば、もっとIT業界について調べたり
資格を取得してから転職活動を始めれば
もっと選択肢が増えていたのかなと感じています。
そんな中、最初に就いたのがインフラ系の客先派遣の仕事でした。
はじめのうちは、PCスキルも全くなかったので
仕事をするときは、とにかくわからないことだらけで
常に現場の方に聞きまくる日々でした。
◆業務をしながら勉強
はじめてのインフラの仕事では「シェルスクリプト」と
呼ばれる、OSコマンド(PCへの簡易命令のようなもの)を
組み合わせた簡易プログラムもどきのようなものを
作っていました。
そんな中で、進捗定例や他のシステム開発チームの方たちとの
打ち合わせに出席するようになり、
自分が今やっているのはインフラ分野だということを知りました。
IT業界に転職したのは良いけれど
そもそも自分がどの分野の仕事をしていたのかを
把握していなかったことが恥ずかしくなり、
「基本情報技術者試験」の資格勉強を通して
IT業界の大枠を学ぼうと思いました。
そして勉強をしていく中で、自分がやりたいのは
「プログラム開発っぽいぞ」と気づいてからは
アプリ開発をしている会社の求人を探すようになりました。
そこからは資格取得の勉強と並行で
再度、転職活動を始めました。
◆転職活動と面接で意識したこと
転職活動では、美容師を辞めた時とは異なり
自分が興味を持てた分野である、
システム開発やプログラム開発のエンジニアを
未経験で募集しているものから探しました。
今だからこそ、未経験の状態から求人を選ぶときに言えることは
「とにかく経歴を積んでステップアップしたい」という方は
SES系のIT企業でどんどん実践していくのがおすすめです。
「はじめのうちは不安が大きい」と感じる方は
受諾開発や一括請負の開発をしている企業を狙うほうが
転職後のイメージの乖離が少ないと思います。
未経験から受諾開発や一括請負での開発をしている企業に
転職するのは少しだけ難易度があがるので、
アピールポイントとしてITスキルにかかわる資格を
取得しておくことが重要になってきます。
私自身も、システム開発については未経験でしたが
「基本情報技術者試験」の資格を取得できていたことや
コミュニケーション能力、成長意欲があること
を買ってもらえたことで
今の会社から正社員での採用につながったと思っています。
転職活動中の面接では、
- IT技術をこれからの学ぶ意欲があること
- 「基本情報技術者試験」など
資格を取得していること - コミュニケーション能力に問題ないこと
をアピールポイントとして伝えるようにしていました。
◆入社してから
正直、入社してからも分からないことは多くありました。
しかし、未経験のうちに求められているのは
技術力よりも、「報連相と素直さ」です。
入社後の研修や、実際の業務に触れていく中で
業務の流れやIT用語に慣れていけばよいと感じています。
私自身、技術的にはまだまだ発展途上です。
しかし「自分でキャリアを切り開けた」という達成感があります。
未経験の状態から不安があるのは、
真剣に考えている証拠です。
だからこそ、その気持ちを
行動に変えてみてほしいと思っています。
応用編|IT業界で“市場価値を高める”考え方
未経験からIT業界に転職し、
仕事に慣れてくると、次に意識したくなるのが
「今後のキャリアの広げ方」
「自分の市場価値をどう上げていくか」
という点です。
この章では、IT業界で長く活躍するための考え方や、
具体的なスキルアップの方向性について解説します。
◆IT業界は“成長産業”だからこそ、自分もアップデートし続ける
ITの世界は、技術の進化がとにかく早いです。
AI、クラウド、IoT、セキュリティ、Web3、ノーコードなど
数年前にはなかった言葉が次々に登場し、
環境は常に変化し続けています。
そのぶん、学び続ける姿勢がある人ほど評価されやすい
のがこの業界の特徴でもあります。
未経験から入った私でも、
新しい資格にチャレンジして、
新しいプロジェクトに参画させてもらうなど
成長の余地はいくらでも感じています。
◆キャリアパスは1つじゃない
IT業界の良いところは、「目指せる道がたくさんある」ことです。
たとえば
- 開発系:
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- モバイルアプリ開発 など
- インフラ系:
- ネットワークエンジニア
- サーバー管理
- クラウドエンジニア など
- 品質・支援系:
- テストエンジニア
- ITサポート
- PMO(プロジェクト支援) など
- マネジメント・企画系:
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
- DX推進 など
「ずっとコードを書く仕事がしたい」という人もいれば、
人と関わることが好きだから、
「マネジメントや顧客折衝を目指したい」という人もいます。
今の仕事がゴールではなく、
スタート地点であると考えると、
日々の仕事にも前向きに取り組めるはずです。
◆スキルを可視化する「資格」や「ポートフォリオ」
転職後も、資格取得はキャリアの武器になります。
たとえば
- 基本情報技術者試験
→汎用性が高く、開発・インフラ両方に有効 - AWS認定
→クラウド分野を目指すなら有効 - 応用情報技術者
→より上位の資格で市場価値UP - Oracle Certified Java Programmer
→開発系分野で有効
また、自分の実績をまとめたポートフォリオサイトや
GitHub(コード共有サービス)に成果物を残しておくと、
将来的な転職やフリーランスにもつなげられます。
まとめ
「IT未経験=難しい」というイメージは、
正しい知識や経験に触れることで変わっていきます。
私自身がその例です。
みなさんにお伝えしたいのは、
「難しい」と感じるのは、
“まだ知らない”からにすぎないということです。
確かにITの学習にはある程度の努力と時間が必要で
簡単ではありませんが、
それはどんな新しい仕事やスキルでも同じことです。
むしろ、現在のIT業界は未経験者に対する門戸が広がっており、
学ぶための環境やツールも充実しています。
地道な学習とチャレンジを積み重ねることで、
IT業界への道は必ず開けます。
今の仕事にモヤモヤしている方、
自分の市場価値を高めたいと感じている方にこそ、
IT業界はおすすめできる選択肢です。
特に20〜30代の方であれば、
まだまだ未経験からの転職にも十分に間に合います。
将来的に在宅ワークや副業、
キャリアアップの道も目指すことが可能です。
まず今日からできる「小さな一歩」
- Progateやドットインストールなど、
無料の学習サイトを触ってみる - 「基本情報技術者試験」」の内容を
ざっと見てみる - IT転職の体験談を3人分読んでみる
- スマホで「AI」って何?と調べてみる
これだけでも、昨日より確実に一歩前進です。
「学ぶこと=楽しい」と感じられる瞬間が、
きっとどこかで訪れます。
私自身も、そこからITへの意識や
働き方そのものが変わりました。
この記事を読んで、少しでも
「自分でもできそう」
と思えた方は、その気持ちを大切にしてください!