はじめに
筋トレをすると免疫力が一時的に落ちて、
風邪をひきやすいなどの話を耳にしたことはないでしょうか。
そんな話を聞いてしまうと、
- 風邪でカタボリックになってしまいそう
- 風邪のときは、どう対応すればよいのか
- 病み上がりのトレーニングは大丈夫か
など、筋トレを習慣にしている人なら、
こうした不安を感じてしまいますよね。
とくに私もそうなのですが、
筋肥大を目指しているトレーニーにとって、
風邪=トレを休む=筋肉が減るというイメージは強いものです。
しかし、筋トレと風邪の関係は正しく理解すれば
必要以上に怖がる必要はありません。
- 筋トレは適度ならむしろ免疫力を高める、
やりすぎると免疫を一時的に落ちる - 風邪をひいたときも、
1週間程度の休養では筋肉はほとんど落ちない - 病み上がりの復帰も、段階的に進めれば
すぐに元にもどせる
さらに言えば、そもそも風邪をひきにくい体作りをすることが、
筋トレを長く続けるうえで何より重要です。
日頃のストレス管理や睡眠の質を高めることで、
免疫力を保ちながら効率よく筋肉を育てることができます。
今回は、筋トレと風邪の関係性から、
以下の内容を紹介していきます。
- 筋トレをすると風邪をひきやすい
と言われる理由と真実 - 風邪中や発熱時に
筋トレをすべきかどうかの判断基準 - カタボリック(筋肉分解)の仕組みと予防法
- 病み上がりの安全な復帰ステップ
- 風邪をひかない体を作るための
ストレス・睡眠ケア
この記事はこんな方におすすめです!
- 筋トレを始めてから
風邪をひきやすくなった気がする方 - 風邪でトレを休むと
筋肉が落ちるのではないかと不安な方 - 発熱時や病み上がりで
「いつから筋トレを再開すべきか」迷っている方 - 筋肉を維持しつつ、
免疫力を下げない生活習慣を知りたい方 - 風邪予防や回復のために、
ストレス管理や睡眠の質を高めたい方
筋トレと免疫力

そもそも、筋トレをすると風邪をひきやすくなる
ということについて、
結論から言えば、
筋トレ後は一時的に免疫力が低下し、
風邪をひきやすい状態にはなっていること自体は本当です。
しかし、適度な筋トレをしていれば
普段の免疫力自体は高くなりやすいので
筋トレ後の栄養摂取、ストレスや睡眠の質のケアが
できているのであれば気にしすぎる必要はないです。
筋トレと免疫力の関係:
- 筋トレなどの適度な運動は、
白血球やナチュラルキラー細胞の活性を高め、
ウイルスや細菌への抵抗力を向上させる - 特に週3〜4回、1回30〜60分程度の筋トレは、
免疫力を維持・強化する効果が高い - 過剰な筋トレや筋トレ後のケア不足が問題になる
(オープンウィンドウ理論)
つまり、正しい頻度と負荷であれば、
筋トレは風邪予防にも役立つ「健康的な習慣」になります。
オープンウィンドウ理論
筋トレと免疫力の関係で問題となるのは、
高強度トレーニングや過剰な頻度を続けた場合です。
このとき、体内ではオープンウィンドウ理論
と呼ばれる現象が起こります。
オープンウィンドウ理論:
- 激しいトレーニング後、免疫力が一時的に低下し
免疫の窓 が開く状態 - 強いストレスにより、ストレスホルモンの
コルチゾールが増加することで、
免疫細胞が抑制される - トレ後3〜72時間程度、
この状態が続くと言われている
この免疫の窓が開いている間は、
風邪やウイルス感染を起こしやすい状態です。
以下のような状態での筋トレで起きやすいと言われています。
- 連日の高重量トレーニングや長時間の有酸素
- 減量中の極端な糖質制限
- 睡眠不足・栄養不足が重なっている場合
風邪をひいてしまう時の特徴
風邪をひきやすくなる人の共通点として
以下に当てはまる場合、
筋トレによって免疫が下がっている可能性があります。
- 「筋肉を大きくしたい」一心で休息日を作らない
- 減量中で、炭水化物や脂質を極端に抑えている
- トレ後の栄養補給が遅れている
- 睡眠時間が6時間未満の日が続いている
- 仕事・日常のストレスが強い中、
さらにトレで負荷をかけている
このような状況が続くと、筋トレを真剣にとりくんでいるのに
風邪をひきやすくなるという悪循環
にハマりやすくなってしまいます。
筋トレでの免疫力のケアをするためにも、
- トレーニング強度を定期的に軽くする調整
(ディロード)を行う - しっかり炭水化物・タンパク質を補給し、
回復を意識する - 睡眠とストレス管理を徹底する
特にストレスや睡眠の質は、免疫力に直結します。
筋トレに取り組むうえで、
ストレス管理や睡眠の質のケアをする際に
意識して欲しいことをこちらでまとめているので、
チェックしてみてください。
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-
【筋トレ×CBD】ストレス、睡眠の質の管理の重要性
2025/6/25
風邪と筋肉のカタボリック

筋トレをしているうえで、
一番怖いものは筋肉のカタボリック(筋肉分解)と
考える方は多いと思います。
特に「風邪中はカタボリック(筋肉分解)が進む」
と耳にしたことがある方も多いでしょう。
ここでは、実際にどれくらい筋肉が減るのか、
そして風邪をひいてしまった場合に、
すこしでもカタボリックを防ぐ方法について紹介していきます。
そもそもカタボリック(筋肉分解)はなぜ起こるのか
風邪をひいたとき、体はウイルスや細菌と戦うために
免疫システムをフル稼働させます。
このとき必要となるのが、
エネルギーとアミノ酸(特にグルタミン)です。
- 免疫細胞が活性化すると、エネルギー源として
体内のアミノ酸が使われる - 発熱時には基礎代謝が上がり、
カロリー消費が増える - 食欲低下などで栄養が不足すると、
筋肉を分解することで
アミノ酸を作り出そうとする
これが、風邪や発熱時に筋肉が
カタボリック状態になりやすい仕組みです。
ただし、ここで重要なのは、
短期間の風邪や休養では、
目に見える筋肉減少はほとんど起こらないということです。
- 研究では、健康な成人が1週間トレーニングを
休んでも筋肉量の減少は極めてわずか - むしろ、軽い休養期間が
筋肉と神経の回復を促し、
トレーニング復帰後にパフォーマンスが向上する
ケースもある
つまり、「風邪=すぐ筋肉が落ちる」
というのは過剰な不安であることがほとんどです。
筋トレと休養の関係について、以下の記事でまとめていますが、
私の体感としても、2週間程度であれば
筋トレから離れても大きな影響はなかったです。
気になる方はチェックしてみてください。
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-
筋トレを休むのが怖い?休息日も「筋肉の時間」に変える方法
2025/6/27
風邪でのカタボリックを最小限にするポイント
目に見える筋肉現象はないといわれても、
それでも「少しでも筋肉を維持したい」と思うのが
トレーニーの心理なのもわかります。
風邪の時は、以下を意識するだけでも、
筋肉減少リスクを抑えられます。
- 十分なエネルギー補給
- 食欲が落ちても、
最低限の炭水化物とタンパク質を確保する - お粥・スープ・プロテインドリンクなど、
消化に優しいものを選ぶ
- 食欲が落ちても、
- BCAA・EAAの活用
- 食事量が減るときは、
BCAAやEAA(必須アミノ酸)で補助 - 特にグルタミンは免疫維持にも役立つ
- 食事量が減るときは、
- 無理に筋トレをしない
- 風邪中の過剰トレは筋分解を
さらに促進する可能性大 - 免疫回復を優先する方が長期的に筋肉を守る
- 風邪中の過剰トレは筋分解を
風邪をひいてしまったときは、
しっかりと休む勇気こそが、筋肉を守ってくれます。
むしろ無理にトレを続ける方が、
体調悪化→長期離脱→結果的に筋肉ロス
という最悪のパターンにつながります。
少し休んだくらいでは筋肉は落ちないという事実を知り、
風邪をひいてしまっても焦ったり不安にならないよう
にしてください。
発熱と筋トレ
まず大前提として、
風邪をひいたら発熱の有無に関わらず休むべき
だと、私は考えています。
特に、38度以上の高熱の発熱時に
筋トレをするのは絶対に避けるべきです。
しかし、筋トレを習慣にしている人ほど、
風邪や発熱でも根性論で無理をしている方もいらっしゃいます。
発熱での筋トレは単なる根性論で収まるものではなく、
科学的にも明らかなリスクがあります。
もし、今まで根性論で筋トレをしていたのなら、
以下のリスクをポイントして押さえておいていただきたいです。
発熱時に筋トレがNGな理由
- 免疫システムの働きを邪魔する
- 風邪や発熱時、体はウイルスや細菌と
戦うために全力で免疫にリソースを集中 - 筋トレで筋肉を酷使しても、
筋修復にエネルギーが奪われ、
免疫機能が機能しにくくなる
- 風邪や発熱時、体はウイルスや細菌と
- 脱水と心臓への負担が大きい
- 発熱時は体温調節のため、
発汗量が増え脱水リスクが高い - 体温がすでに高い状態で筋トレをすると、
心拍数・血圧が異常に上昇し危険
- 発熱時は体温調節のため、
- カタボリックを加速する
- 免疫活動ですでに筋タンパク質が
分解されやすい状態 - 筋トレで追い打ちをかけると
筋肉の分解がさらに進みやすくなる
- 免疫活動ですでに筋タンパク質が
そもそも、風邪や体調不良を感じたら
筋トレより休養を優先すべきです。
短期間の休養では筋肉はほとんど落ちません。
逆に、発熱中に無理をすると、
病状が長引き、トレーニング復帰が遅れる=筋肉を減らす結果
につながります。
病み上がりの筋トレ【安全に復帰するステップ】

病み上がりの体は完全に回復しているとは
言えないことがほとんどです。
病み上がりでの筋トレで無理をすると再び体調を崩し、
結果的に長期間トレーニングができなくなるリスクがあります。
以下のステップで、段階的に安全に復帰していきましょう。
ステップ1:復帰のタイミングを見極める
まずは、トレーニングを再開しても良い状態かを
見極めるのが一番大切です。
ポイントとして、以下をチェックしてください。
どれか1つでもクリアできていない場合は、
休養を追加したほうが良いです。
- 熱が完全に下がり、36.5〜37度程度の平熱が
48時間以上続いている - 咳・鼻水などの症状がほとんど消えている
- 食欲・睡眠が普段通りに戻っている
- 軽い日常動作で疲れを感じなくなっている
ステップ2:初週の筋トレは普段の50〜70%の強度で短時間
病み上がり初週からいきなり全力は、
私としてはおすすめではありません。
病み上がりの1週間は、調整としての筋トレを
メインに体を慣らすことが大切です。
- 普段の重量・ボリュームの50〜70%が目安
- 1種目あたり2セット程度にとどめる
- トレーニング時間も30〜40分程度で終了
特に呼吸が乱れやすい脚トレや、
高強度コンパウンド種目(スクワット・デッドリフトなど)
は控えたほうがよいと感じています。
ステップ3:徐々に強度を戻す
2週目以降は、体調が安定していれば
重量については元に戻しても問題ないと思います。
実際、私も病み上がりの2週目は基本的にすべての種目で
重量は元に戻しています。
- 完全復帰までの目安は2週間程度
- 2週目以降、体調が安定していれば
徐々にセット数を増やす
重量については2週目で戻してOK - 疲労が抜けない、いつもより異常に息が上がる
などの場合は強度を下げる
病み上がり特有の注意点
- 水分や電解質補給を意識する
(発熱で失われた分をリカバー) - 栄養補給はいつも以上に重要
(カロリー不足は回復を遅らせる) - だるさがある日は即中止し、
再度休養に切り替える
病み上がり直後は、体力や免疫がまだ完全ではありません。
無理をして数日で再びダウンするより、
調整を優先して1〜2週間かけて戻す方が、結果的に
筋肉も守りながらコンディションも安定させることができます。
風邪をひかない体を作るために

風邪をひいたときに筋肉を守る方法も大事ですが、
そもそも風邪をひかない体を作ることこそ、
最も効率的な筋肉の守り方です。
筋トレで強い体を作るには、トレーニングだけでなく
免疫力を落とさない日常管理が欠かせません。
免疫が落ちると、風邪だけでなく、
筋肉の回復速度も大幅に遅れます。
筋トレを続ける上で、
「鍛える」だけでなく「守る」視点を持つことも重要です。
トレーニング・栄養・休養のバランスが取れていれば、
結果的に免疫も筋肉も強くなります。
免疫を守るための3つのポイント
- 質の高い睡眠を確保する
- 成長ホルモン分泌や免疫細胞の活性化は、
深いノンレム睡眠中に最も活発になる - 就寝前はスマホを見すぎない、
入浴で体温調整をするなど、
睡眠の質を高める習慣を整える
- 成長ホルモン分泌や免疫細胞の活性化は、
- ストレスを溜め込まない
- 慢性的なストレスはコルチゾール
(ストレスホルモン)を増加させ、
免疫細胞の働きを抑えてしまう - ジムでストレス解消しているから大丈夫
と思いがちですが、
オーバートレーニング自体がストレスになる
場合もある
- 慢性的なストレスはコルチゾール
- 積極的なリカバリー習慣を持つ
- トレーニング日以外も、
ストレッチやアクティブレストなど、
筋肉と免疫の回復日を意識的に作る
- トレーニング日以外も、
ストレスや睡眠の質に不安がある人には、
CBDを活用したリカバリーもおすすめです。
CBDを取り入れると、
- 自律神経のバランスを整え、
交感神経優位な状態をリセット - ストレスを軽減し、
入眠をスムーズにして深い睡眠を促す - トレ後の神経疲労の回復を助け、
結果的に免疫力もサポート
最近、疲れが抜けにくい、休んでも寝付きが悪いという方は、
CBDを取り入れるなどのストレス管理、
睡眠の質の管理に目を向けることで
筋トレでの成果を大きく感じやすくなります。
CBDの取り入れ方や、ストレス、睡眠の質の管理については
こちらをチェックしてください。
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【筋トレ×CBD】ストレス、睡眠の質の管理の重要性
2025/6/25
まとめ
筋トレに熱心な方ほど、
風邪をひいたら筋肉が落ちるという
不安を強く感じていると思います。
しかし、過度に恐れる必要はありません。
記事のまとめポイント
- 筋トレは適度なら免疫力を高めるが、
過剰な高強度トレーニングや睡眠不足
は免疫低下を招く - 風邪中や発熱時(特に38度以上)は
トレーニング厳禁
免疫と回復を最優先にすることが
結果的に筋肉を守る - 1週間程度の休養では筋肉はほとんど落ちない
- 病み上がりは強度50〜70%、
2週間かけて段階的に戻すのが安全 - 風邪を防ぐには、ストレス管理と
睡眠の質を高める生活習慣が最重要
筋トレはやった時間だけで成果が決まるわけではありません。
風邪をひいたときは「筋肉を守る日」と割り切りましょう。
そうした柔軟な判断ができる人ほど、
長期的に見て筋肥大も健康も両立できます。