はじめに
「筋トレ、何分やれば効果あるの?」
「5分だけって、意味あるの?」
仕事や家事、学業などで忙しい毎日の中で、
「短時間でも効果を出したい」という気持ちから
そんな筋トレの時間に対する疑問はよく話題にあがります。
一方で、
「2時間もジムにいる人たちと同等の結果が出るとは思えない」
という不安や、
「そもそも何分が“正解”なんだろう?」
というモヤモヤを抱えている方も多いはずです。
特に最近は、SNSやYouTubeなどで
「時短筋トレ」、「HIIT」などの
超短時間ワークアウト動画も多くみられるようになりました。
時間は誰にとっても有限です。
今回の記事では、
自分に合ったトレーニング時間をどう設計すれば、
最大限の効果を得られるのかに役立つヒントとなるように
短時間・中時間・長時間の筋トレの
効果・メリット・デメリットを比較し紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめ!
- 忙しくて「5分」「10分」しか時間が
取れないけど、筋トレ効果を得たい人 - 「筋トレ45分が理想」って聞くけど、
自分にとってはどうなのかを知りたい人 - 90分以上筋トレしているけど、
本当にそれがベストなのかを見直したい人 - 筋肥大・ダイエット・健康維持など
目的別の“最適な筋トレ時間”を理解したい人
超短時間トレ(5〜10分)

たった5分の筋トレに意味はあるのか。
この疑問は多くの人が感じるところです。
結論から言えば、
「目的によっては、効果は十分にある」
ただし、「筋肥大を目指す」場合には、
限界があることも事実です。
「たった5分で筋肉がつく」
「細マッチョになれる」
と期待して、5~10分の筋トレを続けると失望しますが、
「今の自分にできる範囲で運動を続けていく」
習慣の一歩としては、非常に価値のある時間です。
むしろ大切なのは、“意味があるかないか”ではなく、
「目的に対して、合った方法か?」
という視点で見ることなのです。
ここでは超短時間筋トレのメリットとデメリットを
“目的別”に整理して紹介していきます。
メリット
短時間でも脂肪燃焼&運動習慣には効果大
- 継続しやすく、習慣化しやすい
- 「今日は時間ないな…」という日でも
取り組みやすいため、
心理的ハードルが非常に低い - とりあえずやる→「気づいたら15分」
やっていたという好循環も期待できる
- 「今日は時間ないな…」という日でも
- HIITなら脂肪燃焼効果が高い
- HIIT(High Intensity Interval Training)
の場合は、5〜10分でも効果がある - EPOC(運動後過剰酸素消費量)
という効果で、
運動後の脂肪燃焼の継続が期待できる
※ウォーキング30分以上にも
匹敵するカロリー消費効果を持つこともある
- HIIT(High Intensity Interval Training)
- 忙しい人でも達成感が得られる
- 短時間でも「今日もやれた」
「自分を管理できた」という感覚は、
セルフイメージやモチベーションの維持にも
つながる
- 短時間でも「今日もやれた」
デメリット
筋肥大・筋力向上には“やや不十分”
筋肉を大きく強くするためには、
一定以上のトレーニングボリューム(負荷×回数×セット数)と、
部位ごとの刺激が必要です。
5〜10分では以下のような限界があります。
- 種目数が限られ、
特定部位を満遍なく鍛えるのが難しい - セット数が少なく、
筋肥大に必要な刺激を与えきれない - 筋肥大や筋力向上の結果を求めるには、
向いていない
特に中級者以上の方が筋肥大を狙うなら、
「5分はウォームアップ的な役割」で、
本番トレーニングとは切り分けて考えたいため
全体の筋トレ時間が5~10分では時間が
不足してしまうことがほとんどです。
超短時間トレのおすすめの使い方
HIITやサーキットで“脂肪を燃やす”にフォーカスする
- 朝のスイッチ代わりに5分のHIIT
(例:ジャンプスクワット→プッシュアップ→マウンテンクライマー) - ジムに行けない日の「補完トレーニング」
- ダイエット目的で脂肪燃焼効果を狙う
標準的時間トレ(30〜60分)

「筋トレは何分が一番いいの?」という問いに対して、
最も多くの支持される答えが、「30〜60分」という時間帯です。
このゾーンは、筋肥大・体力向上・ダイエット・健康維持と、
幅広い目的に対応でき、継続することで
自分の理想の結果に近づきやすい取り組み時間とも言えます。
日々の生活の中で、筋トレに30~60分の時間が割けるのであれば
私もこの時間での筋トレを推奨します。
ただし、「60分やらなきゃ意味がない!」
と思い込む必要はありません。
大切なのは、その時間の“密度”
=どれだけ集中して質の高いトレができたかです。
例えば、同じ60分でも、
- スマホを触って休憩が長引く人
- フォームを意識しながら集中して取り組む人
では、得られる成果に大きな差が出ます。
メリット
多くの目的に適した“万能型”
- 適切なトレーニングボリュームが確保しやすい
- 筋肥大や筋力向上には、
1部位あたり3〜5セット、
種目数は2〜3種目は必要 - 上記のボリューム確保のための時間が
インタバール込みで、
30〜60分に収まりやすい
- 筋肥大や筋力向上には、
- 集中力の持続時間にフィット
- 人間の集中力のサイクルは
「15分×3〜4セット=45〜60分」
と言われている - 集中力が継続しやすい時間での取り組みで
フォームの乱れやケガのリスク
を低減しやすい
- 人間の集中力のサイクルは
- ホルモン分泌の観点からも有効
- トレーニング開始から約30〜45分の間に、
テストステロンや成長ホルモンの分泌が
ピークに達する - ストレスホルモン(コルチゾール)が
優位になるまえに終えやすい
- トレーニング開始から約30〜45分の間に、
デメリット
強度や集中が低いと“こなすだけ”になりがち
- 内容が薄いと“ただの運動”になりやすい
- 時間だけ確保しても、負荷が軽かったり、
休憩が長いと効果は限定的
- 時間だけ確保しても、負荷が軽かったり、
- 目的によっては足りないケースもある
- 上級者が全身を高強度で鍛える場合や、
分割の種類によってはやや物足りない
- 上級者が全身を高強度で鍛える場合や、
- トレーニングに慣れてくると惰性になりがち
- 毎回60分という型にこだわると、
負荷や内容の進化が停滞する恐れもある
- 毎回60分という型にこだわると、
標準的トレ時間のおすすめの使い方
30〜60分という時間帯は、多くの人にとって
無理なく、かつ効果も得られやすい、習慣化しやすい時間です。
このゾーンをベースにするなら、
- 忙しい日は30分
- しっかりやれる日は60分
といった形で調整していくのがおすすめです。
30分メニュー(忙しい日のミニマムプラン)
- ウォームアップ:5分
- コンパウンド種目×2種(各3セット):20分
- クールダウン/ストレッチ:5分
60分メニュー(ベーシックな筋肥大プラン)
- ウォームアップ:5分
- メイン種目(3〜4セット):15分
- サブ種目or補助種目
(2~4種目 × 各3~5セット):25~30分 - クールダウン:5分
長時間トレ(90〜120分)

「筋トレは長ければ長いほど効果がある」
と思っているなら注意が必要です。
実際、90分以上のトレーニングを行う上級者や、
週末に“まとめてトレーニング”をする人も少なくありません。
しかし、長時間トレーニングには
確かにメリットがある一方で、
注意すべき落とし穴も存在します。
まず、90分~2時間ほどの長時間の筋トレを
活かせる人はこんな人です。
- パーソナルで種目ごとの
フォーム調整を受けている - コンテストや減量期に合わせて
「全身追い込み日」を設けている - トレ以外の生活も「筋肉中心」に調整できている
(食事・休養)
逆に、日常が多忙で「たまに2時間だけやる」
というスタイルの人は、
むしろ筋トレの質や継続性を落としている可能性が高いです。
メリット
上級者や高重量を扱う場合には特に有効
- ボリューム(総負荷量)を増やせる
- 筋肥大の大原則である
「トレーニングボリューム」を稼ぎやすい - 特に部位ごとのトレーニングを
細かく分割して追い込みたい上級者
にとって有効
- 筋肥大の大原則である
- 種目のバリエーション・フォーム調整に使える
- ベンチプレス→ダンベルプレス
→ケーブルフライ…など
多角的に刺激を変えながら鍛えること
を取り入れやすい - ディテールの発達や弱点克服にも
目を向けられる
- ベンチプレス→ダンベルプレス
- インターバルをしっかり取れる
- 高重量トレーニングでは、
神経系の休息のためにも
セット間2〜5分の休憩が必要 - セット間でしっかりインターバル
を取れることで
毎セットのパフォーマンスを出しやすい
- 高重量トレーニングでは、
デメリット
質が伴っていないと、リスクが増大しやすい
- 集中力・フォームの低下
- 集中力が切れやすくなり、
フォームの乱れ→ケガ
のリスクが高まりやすい
- 集中力が切れやすくなり、
- 筋分解ホルモン(コルチゾール)の分泌増加
- 筋トレ時間が90分を超えたあたりから
筋肉の成長を妨げるホルモン
「コルチゾール」が増えやすくなる
- 筋トレ時間が90分を超えたあたりから
- 日常生活への悪影響
- 社会人や家庭を持つ方の場合、
筋トレに2時間費やすと、
睡眠・食事・リラックス時間の圧迫
につながりやすい - 全体の回復が追いつかず
逆効果になる可能性がある
- 社会人や家庭を持つ方の場合、
まとめ
筋トレの時間に「正解」はありません。
それよりも重要なのは、自分の目的とライフスタイルに合わせて
「現実的に続けられる時間」を見つけることです。
筋肥大を狙うならある程度の時間と負荷が必要ですが、
健康維持やダイエット、運動習慣の構築が目的なら、
5分や10分でも立派なトレーニングです。
また、筋トレは「時間」でなく
「密度」で見る視点の方が大事です。
時間ばかりにとらわれてしまうと、
- 「今日は30分しかできなかった」→罪悪感
- 「60分こなしたけど内容が薄かった」→自己満足
といったように、本質とはズレた判断になりがちです。
大切なのは、
- 60分だらだら続けるより、
30分間しっかり集中した筋トレ
のほうが圧倒的に効果的 - 今日5分しかできなかったとしても、
それを積み重ねることが重要 - 今日の時間に合わせて、どれだけ集中できたか
- 目的に沿った刺激が入ったか
短時間でも意味は十分にあります。
目的に合わせて時間や内容を“進化”させていけるかどうか
この視点を持てるようになると、
たとえ10分でも筋トレが「意味のある時間」に変わります。
理想の筋トレ時間とは、
「〇〇分やればいい」というものではなく、
“その時間で、何ができるか”を常に見直しながら、
調整していける姿勢です。
筋トレは「継続」することで結果が出やすくなる世界です。
「継続する」上で、自分に合った頻度で取り組むことも大切です。
各頻度ごとのおすすめの筋トレについては、
以下の記事でまとめているので、
こちらもぜひチェックしてください。
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【筋トレ】0から始める一週間の筋肥大メニューの考え方
2025/6/17
筋トレの最適な時間や頻度は、
「あなたがどんな目的で、どんな日々を送っているか」
によって変わります。
大切なのは、“今の自分にとってベストな時間”を理解し、
それを少しずつ育てていくことです。
本記事が、あなた自身の理想の筋トレ習慣を
見つけるきっかけになれば嬉しいです。
今の生活にフィットするトレーニング時間を、
無理なく見つけていきましょう。